
1か月以上家出をしていたももです。体重は2Kgほど痩せました。

ご飯は食べるし元気そうだけど何もしなくてもいい?
愛猫が万が一外に脱走して帰ってきた場合、まずは家に帰ってきて一安心ですが、外見上は無事に見えても実は感染症にかかっていたり、ケガをしている場合もあります。
ほおっておくと症状が重くなったり、同居猫に感染してしまったり。
あとで後悔なんてこともありえます。
この記事では猫が脱走して帰ってきたあとに飼い主が行うことを順番に説明させていただきます。
愛猫が家出!無事に帰ってきたら何をするべきことは?

愛猫が家出して無事に帰ってきたら一安心ですよね。
元気そうにみえても実は病気が隠れていたり、ケガをしていることもあります。
特に同居猫がいる場合は注意が必要です。

まず5つの項目を確認してみましょう!
- ケガはないか、びっこをひいたりしていないか
- 呼吸は早くないか、苦しそうではないか
- 食欲や元気があるか
- 下痢や嘔吐はないか
- くしゃみ・鼻水はないか
①怪我がないか、びっこをひいたりしていないか
外に出ると野良猫やカラスなど野生動物とのケンカや事故により外傷をおってしまうことがあります。
一見分かりづらい場合もありますが、特定の部位を繰り返し舐めたりしている場合はその部分をケガしている可能性が高いです。
また、肢(あし)を挙げる・びっこをひく・高い場所に登らないなどの症状がみられる場合は捻挫や骨折などの可能性もあります。
これらの行動は帰宅してすぐの興奮している状態では見られず、ある程度落ち着いてから症状としてみられることもありますので注意が必要です。

猫は調子が悪いと隠すことがあります。
②呼吸は早くないか、苦しそうではないか
交通事故などの場合、明らかな外傷がなくても肺や内臓が傷ついていたりすることがあります。
特に「横隔膜ヘルニア」というお腹の中の臓器が胸に飛び出してしまう病気は交通事故にあった猫ちゃんにとても多いです。

他には、噛傷や高いところからの転落など
安静にしているのに呼吸が速い、口を開けて呼吸をしている場合はすぐに病院に連れていきましょう。
③食欲や元気があるか
未知の世界で今まで体験したことのない出来事を受けた猫は精神的なショックから普段より食欲・元気がおちることはあります。
また家出をしてご飯を食べらなくなることで肝臓が悪くなっていることもあります。
肝リピドーシスは猫に特徴的な肝臓疾患で、様々な原因によって猫が食欲廃絶、絶食状態となると体内の脂質が肝臓へ沈着することで発症する。脂肪変性した肝臓は機能が低下し、徐々に肝不全の状態となり、無治療では致死的な状態となる疾患である。肝リピドーシスは、肥満体の猫が、3~7日間絶食状態となると発症しやすいと言われている。
亀戸動物総合病院
通常であれば時間をかけて戻っていきますが、他に病気やケガをしている場合でも食欲・元気がなくなることはありますので続くようなら早めに病院に行きましょう。
④下痢や嘔吐はないか
外での生活でいつもと違うもの・悪くなったものを食べたり、寄生虫に感染したり、ストレスなどから体調を崩して吐いたり下痢をすることがあります。

私は、戻ってきたときはほどい下痢でした。
⑤くしゃみ・鼻水はないか
主にウイルスが原因となる「猫風邪」は感染している猫から空気感染します。野良猫での罹患率(りかんりつ)は非常に多いですので感染してしまう可能性も高いです。
※罹患率とは・・・病気にかかる
ワクチンを打っていれば重症化が防げるので、1年に1回は必ずワクチンを接種しましょう。
上記の症状がみられた場合はなるべく早めに動物病院を受診してください。
猫が外から帰ってくるとマダニに噛まれて家に持ち込むことがあります。SFTSウイルスを持ったマダニに人間へ噛まれ感染すると発熱・頭痛・全身倦怠感・嘔吐・下痢・腹痛・意識障害・リンパ節腫脹・出血症状・白血球減少・血小板減少・肝酵素上昇などの症状を示し、致死率は極めて高く10〜30%と報告されています。

私はマダニに5つも噛まれていたの痒かったにゃん
戻ってきたら動物病院でやってもらうこと

戻ってきたあといつもどおりに過ごしていても、猫が落ち着いた段階で動物病院には一回連れていきましょう。
脱走した猫ちゃんに対して動物病院では以下の検査・処置を行うことが多いです。
- ノミダニ駆除
- 便検査
- ウイルス検査(猫エイズウイルス(FIV)/猫白血病ウイルス(FeLV))
①ノミダニ駆除
外の草むらや野良猫は高確率でノミダニをもっています。
見た目的にノミダニがいなくても卵を植え付けられている場合がありますので、動物病院で滴下タイプのノミダニ駆虫・予防薬を垂らしてもらうようにしましょう。
一度滴下すれば1カ月効果が続きます。なお、市販のノミダニ薬は効果が薄いものが多いので動物病院で行ってもらった方が確実です。
②便検査
便に寄生虫がいないかを確認してもらいましょう。
寄生虫は感染している猫の便やネズミなど他の生物を口にすることで感染することがほとんどです。
ただし、ここで注意しなければいけないのが検査のタイミングです。
寄生虫は猫に感染してから便に排泄されるまである程度の時間がかかります。
例えば猫でよくみられる「猫回虫」という寄生虫は、感染してから便検査で検出されるまで6-7週間程かかります。
寄生虫を摂取してすぐに便検査で確認できるわけではないので検査のタイミングには注意しましょう。
動物病院専用駆虫薬にはノミダニに加え、お腹に寄生する寄生虫をある程度駆除する効果があわさった駆虫薬もありますので最初からそちらを垂らしてもらうのもいいでしょう。
もちろん垂らすタイプの駆虫薬では落ちない寄生虫もいますので注意は必要です。
③ウイルス検査(猫エイズウイルス(FIV)/猫白血病ウイルス(FeLV))
野良猫で蔓延している主なウイルスの病気として「猫エイズウイルス」「猫白血病ウイルス」があります。
猫エイズウイルスは主にケンカなどの咬み傷から感染します。
発症した場合、猫エイズウイルスは後天的免疫不全を起こします
猫白血病ウイルスは唾液などから感染しますのでグルーミング・食器の共有でも感染します。
猫白血病ウイルスは将来的にガンを引き起こす怖い病気です。
ただし、これらのウイルスも寄生虫と同様に検査で検出されるようになるまである程度の時間が必要です。
検査で分かるのは直近の接触から、猫エイズウイルスだと2カ月後・猫白血病ウイルスは1カ月後です。

治療/検査をどこまでするか・どのタイミングで検査行うかは、猫の状態をみてから決めますので獣医さんの指示に従いましょう。
飼い主さんは「いつ脱走して、いつ帰ってきたか」「帰宅後の様子・体調」「同居動物がいるか」などを正確に伝えるようにしましょう。情報が多い方がより的確な検査・治療をすることができます。
まとめ

猫の脱走後の対応について解説してきました。
猫が家出をして無事に戻ったとき、外見上は無事に見えても実は感染症にかかっていたり、ケガをしている場合もあります。
猫が落ち着いたら必ず動物病院に連れて行きましょう。
また、様子がいつもと違ったらすぐに病院に連れて行きましょう。
外の世界は危険がいっぱいです。脱走させないことが一番ですので戸締りはしっかり行いましょうね。
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